文芸情報

 

  エッセイ1

 

2月の別れ
 
 
 
 
 

 エッセイ2

 
 
-子供のころの
我を訪ねて-
 
新しき
鎌隠しつつ
主人なき
ラプンツェルの
家に向かはば
生い茂る
太き茎枝ぞ
断ち切らむ
然らば先の
我が家や我に
会ふる気の
歳になりけれ
この春先に
 
 
 
 
 

  エッセー3

 
 
-争いの絶えないちっぽけな地球へ告ぐ-
 
しっかりと
原始と原子がつながって
分子と分子がつながって
生命と生命がつながって
人はできているのに
何で
人と人とはつながらないの
 
それは
境界という見えない線があるから
お金という見えない虚無があるから
たったそれだけのこと
 
世界は見えないものに従っている
 
 
 
 
 
 

  エッセー4

 
 
-あの今はなき、銀座にありしゴシック建築の本社に勤務時代は夢の中-
 
二拾年
勤務記念の
金時計
それから更に
三十有余年
経つも今なお
正しく刻む
金時計
今はあらなき
会社給ひし
金時計
腕にはめては
今も現役
金時計